別府の温泉文化を味わうジモ泉の楽しみ方とお作法解説

別府の温泉文化を味わう「ジモ泉」の楽しみ方とお作法解説

別府のローカル文化を全身で味わうためのジモ泉入湯のお作法とルール
2025/10/7  2025/9/30

別府の共同浴場「ジモ泉」の入浴ルールやお作法を解説! 旅館やホテルでは味わえない地域文化や新たな出会いを楽しむために、ジモ泉に何度もお世話になった経験を元に心得やローカルルールも解説!

別府のジモ泉とは?
地域で運営する共同温泉のこと
旅館の温泉と違ったローカル文化を味わえる
ジモ泉の特徴と比較
脱衣所と浴槽だけのシンプルな空間も
源泉を味わえる”あつ湯”が多め
地域のコミュニティの場そのもの
ジモ泉の入浴作法とポイント
タオルや石鹼等の入浴グッズは持参する
入浴料は番頭か料金箱へ
裸の付き合い、入口は挨拶から!
鉄板の入浴ルーティーン
心得たいローカルルールについて
外来入浴できるジモ泉の探し方
【必見】初めてでも入りやすいオススメジモ泉

 
別府の温泉文化を味わうジモ泉の楽しみ方とお作法解説

別府のジモ泉とは?

ジモ泉」は、地元の方々が日常使いしている共同浴場のことを指します。別府は日本随一の温泉地として人気を博していますが、その豊富な湯量は、ジモ泉として地元の文化にも深く根ざしています。
別府の九日天温泉のエントランス
多くは地域の自治会や市が運営する”生活の場”として長年愛されその数なんと100カ所以上あるとか。そして、一部のジモ泉は湯巡りをする私たちにも開放されており、外来入浴ができます
温泉文化を全身で味わったり、地元の方との会話から次の目的地のヒントを得たり、ジモ泉でしか味わえない「新たな出会い」が何よりの魅力です。
別府の上人湯エントランス
一方で、公民館の脇にあったり地元の方ばかりだったりと、初めてにはちょっと敷居が高い気がするのも事実

この記事では、これからジモ泉も楽しみたいと思われている方に向けて、ジモ泉の特徴や旅館やホテルの温泉との違い、入浴のマナーや意識しておきたいローカルルールなどを、別府八湯温泉道でたくさんのジモ泉にお世話になった経験を踏まえてご紹介します!

ジモ泉の特徴と比較

この項では、ジモ泉の特徴をホテルや旅館の温泉やスーパー銭湯と比較しながらご紹介します。

脱衣所と浴槽だけのシンプルな空間も

ジモ泉は近所に住む方の入浴の場ということもあり、最低限の設備にまとまっているところが多いです。
ホテルには、鍵付きのロッカーやアメニティ、浴場には湯舟とシャワーブースにシャンプーなどもある所が多いですが、ジモ泉は脱衣所と浴槽だけというのがテッパンのスタイルです。
脱衣所の棚にタオルと服を置き、シャワーはなく湯舟の温泉で体を流して湯に入るのが基本です。
建屋内のイメージは、竹瓦温泉の案内ページ が参考になります。
私も最初は少し戸惑いましたが、慣れてくるとこのシンプルな空間が居心地よく思えてきます。

源泉を味わえる”あつ湯”が多め

ジモ泉の湯は源泉かけ流しが当たり前で、43度を超える“あつ湯”も少なくありません。地元の方は平然と浸かっているので、私も何の気なしに入ろうとしてビックリしたのがいい思い出です。
たった数分の入浴でも、汗をかいて芯から温まる感覚が病みつきになります。

地域のコミュニティの場そのもの

ジモ泉は地域の交流拠点でもあります。近所の方どうし顔見知りで、玄関先は井戸端会議、お風呂では世間話が飛び交います。
別府のジモ泉、上原温泉
挨拶すると、そこから心地よいふれあいが生まれます。私も「県外から来たの? いいとこ回ってるね〜」と笑いかけられ、身の上話をしたりオススメのお店を聞いたり、旅の楽しさが一段と広がった瞬間が何度もありました(話が盛り上がると、大体少しのぼせます笑)。

ジモ泉の入浴作法とポイント

この項では、ジモ泉の入浴作法と、関東在住の私が感じた”ローカルルール”もご紹介します。以下の内容を参考に、気負いすぎず温泉タイムを楽しみましょう

タオルや石鹼等の入浴グッズは持参する

先ほどご紹介したように、ジモ泉にはシャンプーなどのアメニティは置いていないことが多いため、以下の必需品をお忘れなく!

  • フェイスタオル
  • バスタオル
  • 石鹼・シャンプー
  • 小銭(100円~10円):無人のジモ泉はおつりがありません!

その他、濡れたものを入れておく袋も必要に応じて。風呂桶は現地で借りられるところがほとんどなので、無理に持参する必要はありません。

私が湯巡りするときは、大きな荷物はホテルにおいて、手提げ袋(エコバッグ)にタオルと石鹸、旅行用のパスポートケースに小銭とスパポート(別府八湯温泉道のスタンプカード)を入れて身軽に歩き回っていることが多いです。

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入浴料は番頭か料金箱へ

外来入浴者は入浴料金を支払います。100円~300円程度のリーズナブルなところが多いです。
支払い方は、施設や時間帯によって大きく2つの方式があります。

  • 番台式(有人):入口で番頭さんに現金手渡し
    ※一部の市営浴場等は券売機アリ
  • 料金箱式(無人):料金を料金箱に投入する

別府のジモ泉によくある無人の受付
昼間は有人でも夜は無人になるところもあり、特に後者はおつりはありませんので、100円玉、50円玉など小銭の準備をお忘れなく!

裸の付き合い、入口は挨拶から!

これが一番大切なポイントです。ジモ泉では文字通り「裸の付き合い」の場ですが、その第一歩が「挨拶」です。
エントランスや浴室に入って番頭さんや先客の方と会った際には「こんにちは」と笑顔で一言添えるだけで場の空気が一気に和みます。

鉄板の入浴ルーティーン

初めは以下の流れで入浴すれば間違いないかと思います。

  1. 入浴料を支払う(ちょうどの金額を準備しておきましょう)
  2. 靴は入口に並べるか下駄箱へ
  3. 脱衣所で着替え(先述の通りシンプルな棚が多いため、荷物はコンパクトに)
  4. 浴室へ移動→かけ湯で身体を流す。先に体を洗って流すのもオススメ。
  5. あつ湯の場合は、かけ湯+半身浴で少しずつ慣れましょう。あまりに熱い時は周りの方に声をかけて、少し水を足すのも一案。
  6. 温まったら脱衣所に戻る前にタオルで水気をふき取ってから脱衣所戻り、着替えて退出

別府駅前の手湯

心得たいローカルルールについて

入浴時には、一般的な公衆浴場のマナーやローカルルールとして以下には気を遣いましょう。

  • 湯船に髪の毛やタオルを浸さない
  • 浴槽のフチに座らない(あまりほかの地域では見かけず、別府に来て注意書きをよく目にした気がします。)
  • ジモ泉は小さめの所も多いため、かけ湯時の跳ね湯にも注意
  • シャワーがなければ、洗髪や洗体は浴槽のお湯を桶ですくって使う
  • 旅の記念といっても撮影するようなことはないように!

経験上、他にも地区によってローカルルールがある場合もありますが、挨拶+上記のマナーを守っていれば大失敗することはありませんでした。周りの方を観察しながら気楽にゆったり楽しみましょう。

外来入浴できるジモ泉の探し方

ジモ泉の中には、地元の組合員専用の通称”ジモ専”があることも。そとからはあまり違いが分からないこともあり、探し方も気になるところですよね。
オススメの探し方は、別府八湯温泉道の一覧を活用する方法で、詳しくは以下の記事でご紹介しています!

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初めてでも入りやすいオススメのジモ泉

最後に、ジモ泉の中でもアクセスしやすく観光や湯巡りの方も多く入りやすいジモ泉をいくつかご紹介します。
別府88湯の湯めぐりや、温泉と生活が結びついた文化を味わう一歩目にもおすすめです。

初めてでも入りやすいジモ泉ピックアップ
温泉名 エリア ひとこと
海門寺温泉 別府 別府駅から徒歩5分の好アクセス!
あつ湯・ぬる湯の温度別浴槽+
シャワー有で安心
。初めてに持ってこいです。
竹瓦温泉 別府 別府の象徴的な温泉で、脱衣所+湯船だけのシンプル設備+湯温は熱い
(別府典型のスタイル)
柴石温泉 柴石 海地獄エリアと血の池地獄エリアの中間地点に所在。
リーズナブルながらシャワー有+露天風呂+蒸し湯も楽しめる贅沢空間です。
地獄巡りの道すがらにもぜひ。
浜脇温泉 浜脇 東別府駅からほど近く。
隣の「湯都ピアユートピア浜脇」も色々な浴槽があり面白いです。

実は、上記でご紹介したジモ泉には共通点があり、どれも市営の浴場なのです。
ジモ泉の運営形態は、”市営”の浴場と”地元の組合(住民中心)”で運営されている浴場の大きく2種類に分けられます。前者は立地や設備(シャワーが有るところも多いなど)も相まって初めてでも使いやすく、観光客の方も比較的多めの傾向です。そんな市営の温泉は別府市のウェブサイト[1]に紹介がありますので、こちらも参考に選んでみてください。

いかがでしたでしょうか。この記事が皆さんの別府温泉旅の参考になれば幸いです。

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参考ページ

  1. 別府市の市営温泉の紹介ページ

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  • 総合旅行業務取扱管理者資格所持
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